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コルソス島奇譚 ワインカーヴ

 浪高亭の地下にあるワインカーヴに、コボルド達は押し込められている。
 押し込められたといっても、その広さは、縦横10ヤードはあり、人間なら、やや手狭に感じられるだろうが、コボルド達12匹なら十分に広い場所だった。

 地下5ヤードにあるこの場所は、外界と違って、気温が13度に保たれていた。村に設置してある結界は、気温を24度に保っている。本来ならその結界は、赤道付近のコルソス島で村内を冷やす、冷房としての役割を果たすものだったが、寒冷地に棲まう、彼らにとって、その温度は酷暑といえる温度であった。

 自分達が、黒竜に仕える様な沼コボルドであったなら、快適な温度だったろうに……と、その場にいる者達は誰もが語り合った。しかし、如何せん、自分たちは、白竜に仕える雪コボルドである。

 天空の竜たるシベイが、下たる竜カイバーに食われ、そのカイバーに中たる竜エベロンが巻き付いて倒し、シベイは星の欠片に、カイバーは地の底に、エベロンは大地に成り、撒き散らされたシベイの尊き血より、各色の竜が生まれた頃から、白竜と黒竜は仲が悪いのだ。

 黒竜は沼地を好み、かの竜に仕えるコボルド達で一番人気の遊びは、泥んこレスリングである。友達はやぶ蚊だ。

 やぶ蚊て! 

 なんて不潔な連中だろう! 始終よだれを撒き散らす、氷小魔が友達の自分たちとは大違いだ!

 泥んこレスリングて! 

 自分達は、飲めば臓腑に染み渡る、清潔な氷水で身を清め、遊びといえば、紳士的なルールが策定された雪合戦(負けそうになったら、雪玉に石を詰めても良い)で遊ぶというのに。

 雪コボルド達は互いに、黒龍と、かの竜に仕える沼コボルドを、ひとしきり罵倒すると、ある者は装備を確認、手入れをし、ある者は必要になるであろう呪文について、長であるディックと相談し、ある者は手に入れたリピーティングクロスボウを検分していた。
 
 弟への土産を手に入れたマラーキーは、何やら怪しげな光沢を放つ、緑色の液体が、鏃に塗りたくられているのを見つけた。鏃に塗りたくられている液体は、たいてい毒か痺れ薬である。彼は慎重に弓を扱い、まずは弾倉を外して、矢を抜こうとした。
 
 そこへフーブラーがやってきて、あーでもないこーでもないと二人で、議論を交えつつ、どうにか弾倉を外そうと四苦八苦していた。

 そんな二人の様子を、する事もなく、話題も無くなったラズは、暇つぶしに眺めていたが、やがて飽きてしまい、ワインカーヴの中を見てまわることにした。

 ワインカーヴと名はついてはいたが、実際は、床も壁もレンガ作られた倉庫のような物で、中に何が入っているのかはわからない木箱が、雑多に積み上げられた倉庫となっていた。その片隅に、ラズは樽を見つけた。樽はコルク栓で厳重に封をされている。近づいて臭いを嗅げば、間違いなく酒の匂いがした。

 飲みたい……と、ラズは切実に思った。

 休憩中の今ならディックも許してくれるだろう。だが、この宿屋の主人、シグモンドから「床以外に手を触れるな」とお達しがあったのを思い出し、一旦は躊躇した。が、ラズはその約束を速攻で破ることにした。仮にこの樽の中に、極上の酒が入っていると仮定しても、自分のポーチの中にある、拳大の|シベイ竜水晶《シベイ・ドラゴンシャード》では、自分にお釣りが来る、と、彼は踏んでいた。

 文句を言われたら、酒代として、非常に名残惜しいが、あの人間にくれてやろう……。

「おい、お前ら、酒樽を見つけたぞ!」
    
 よっこらしょと掛け声をかけて、重い樽を持ち上げたラズは、ガラガラガラと音を立て始めた台座に驚愕した。酒樽が置いてあった台座には、何やら歯車が複雑に絡みあっていて、何らかの装置になっていた。ここに何か重量のある物体を載せる、或いは、載せていた物を外すと作動する――そういう仕掛けだった。

 驚愕したのもつかの間、北側にある壁が、ゴゴゴと軋みを立てて右へスライドしてゆき、まるで吸い取られるように、東側の壁と接する角に収納されてゆく。

 その光景を、その場に居た誰もが、呆然とした面持ちで眺めていた。

 そして、それは、壁の向こう側にいた13匹のサファグン達も同様だった。

 サファグン達は皆、胡座をかき、一抱えはある巨大なハマグリを食べていた。否、ハマグリの中には、魚やその卵、海草、珊瑚の欠片が垣間見える。彼らの弁当箱なのかもしれない。彼らはそこで食事休憩をとっていたようだった。壁が突然スライドして、現れたコボルド達を彼らと同様に呆然と眺めていた。

 壁に持たれていた一匹のサファグンがハっと、気を取り戻し、ハマグリの弁当箱を投げるやいなや、壁に立てかけてあった石槍を取り、エラを激しく打ち鳴らして威嚇を始めた。

 コボルド達も負けじと得物を手に取り、大きな声を上げて、サファグンへ威嚇を始めた……マラーキーとフーブラーを除いて。


 この部分をいじれば、やっと弾倉をはずすことができるはず……と、弾倉を取り外すことに集中していた二人は、やたらと周りが騒がしい事に、ようやっと気付いたのだった。

 一体何事だ? と、顔をあげた二人は、武器を構えたサファグンに仰天し、マラーキーはうっかり引き金を引いてしまった。込められていた毒矢は、フーブラーの膝に刺さった。

 そこそこ頑丈な鱗を自慢にしているコボルドであったが、矢に膝を貫かれれば、痛みに絶叫をあげるのは当然の成り行きだった。フーブラーは熱を感じ、次いで猛烈な痛みが襲ってくると、「撃たれた、ちくしょう、やられた!」と絶叫した。

 その声に一番驚いたのは、ディックら仲間達ではなく、サファグン達だった。コボルド痛みにのたうち回るという突然の事態に、「誰がやった? お前か」と、声は出さずに、各々が目で仲間同士確認しあう始末だった。

 一方、仲間をやられた! と、頭に血を登らせたのはコボルド達である。

 実際は味方の誤射による事故なのだが、目の前の魚野郎がやりやがった! と、事実誤認している彼らは「右の頬を張られたら相手の尻尾に噛みつけ」という先祖代々の教えに従うべく、得物を振りかぶってサファグンに襲いかかり、ワインカーヴはたちまち、憎しみの宴と化した。
 
 開戦のきっかけを作ったラズは、持ち上げていた樽を相手に向かって投げつけ(もったいない!)、どうにか剣を抜き、こちらへ呪文を投げかけようと杖を持って集中している

サファグンに斬りかかろうとしたが、最前衛の3匹が、すかさず、槍衾を敷いて術者を守った。

 ラズの援護をしようと、ディック、ブル、トイ、ガルニア、リーヴゴット、シフティが駆けつけ、それぞれサファグンに剣を振るった。が、こちらは、呪文の切れた術師が二人、後方に下がり、かつ、怪我人を抱えている。

 サファグン達は、術者一人に、前衛が12匹でコボルド達に相対し、コボ達は、一匹で二匹を相手取ることになってしまった。あげく、敵の方の得物は槍であり、間合いがこちらよりも長く、筋力は向こうの方が上である。剛力から繰り出される石槍の打ち下ろしに、コボ達は盾を構えて防戦一方とならざるを得なかった。

 まずい、まずい! と、コボ達の脳裏には焦燥の念が募っていった。このまま打ち下ろしだけが続くわけがない、ある時を境に、攻撃のパターンがガラリとかわるはずだ。

 その懸念は、即座に現実となった。

 攻撃を受け止めるべく盾を斜め上にかざすことで、視界が悪いという事実を、サファグンは見逃さなかった。ある者は蹴りをいれ、ある者は尻尾で殴りつけ、端にいた者は槍を短く持つと、わずかに見えるコボの足を薙ぎ払った。

 コボの前衛達は皆、重量のある攻撃を受けて、ひっくり返り、戦線は崩壊した。彼らは皆、自分に襲いかかる死を覚悟した。

 その窮地を救ったのは、呪文を使い果たしたウェブスター、リプトンの呪術師組だった。

 彼らは懐のポーチから、火口箱を取り出し、素早く火をつけ、錬金術師の火と呼ばれる火炎瓶に火を移し、サファグン達に向けて投げつけた。瓶が割れ、火のついた油を頭から浴びた数匹のサファグンは、身を焦がす熱と痛みに喚いた。既に勝ったと錯覚していた彼らは、混乱に陥り、コボ達の前衛が態勢を立て直す機会を与えてしまった。
 
 一方、癒しの呪文を唱えるべくドクは、「オレはもう駄目だ!」とわめいているフーブラーに、駆け寄っていた。彼の容態を見て、矢を抜き、血を吹き出す傷口に掌をあてながら、癒しの呪文キュア・モデレート・ウーンズをかけた。

 呪文は傷口を見る間に塞ぎ、フーブラーに活力を与え、彼の顔色は即座に良くなっていったが、吹き出した血まで元通りになるわけではない。事実、フーブラーは気怠げで足に力が入らないようだった。

「どうだフーブラー?」
「……鏃に妙な液体がついていた」

 その告白にドクは青ざめた。解毒の呪文にまで、彼の位階は届いていない。

「なんとかする。今は体を落ち着かせろ」

 ドクはそう言って、戦闘の邪魔にならぬよう、フーブラーを後ろから羽交い締めるようにして、壁際までひきずっていった。

 前衛の戦士たちを見やれば、戦闘はいよいよ激化し、剣戟の音が間断なく鳴り響いている。

 サファグンの術者も僧侶だったらしく、怪我を負った者が後退すれば、すかさず駆け寄り、癒しの呪文をかけて援護している。対するコボ達の内、一部は、攻撃を盾で受けるのではなく、流す、或いは、躱すようにし、一部は小剣二刀で攻撃の回数を増やして対抗していた。

 コボ達は、自分達程ではないにしろ、硬い鱗を持つ彼らに歯噛みしていた。
 
 筋力のない自分たちでは、この鱗を突破することはできない。ならば、柔らかい、腹や、手足の腱等を狙うべきだと、サファグンにない素早さを活かして 立ちまわるという戦術に切り替えたコボルドに、剛力を誇っていたサファグンたちは、先程とはうってかわって、苦戦を強いられ、傷口を少しずつ増やしていった。

 そうやって敵を撹乱し、わずかにできた隙間から、彼らの回復を僅かにでも遅らせようと、コボらの術師達が投げたナイフがサファグンの僧侶を襲う。が、彼はいとも簡単にそのナイフを躱し、コボの術師達は手持ちのナイフをすべて投げ尽くして、ついに攻撃の手段を失った。
 
 ドクは、前衛の戦士たちの背後に立ち、素早く呪文を唱え、指で印を結んだ。その動作と呪文が垣間見えたのか、サファグンの僧侶も対抗すべく呪文を唱え始めたが、その矢先、バシッと弦から矢が弾ける音がして、矢は彼を掠めるようにして、近くの壁に突き刺さった。

 僅かな痛みに精神集中を破られたサファグンが見たのは、壁際に座り込んだコボルドが、こちらに弓を向ける姿だった。

 ドクの呪文は完成し、恐喚コーズ・フィアーの力がサファグン達に向かって開放された。

 サファグンの前衛達の中で、抵抗できず、その力をもろに浴びてしまった者達は、人成らざる悍ましき化外の幻覚を見てしまった。それは、目の前で凄まじい音量の金切り声を上げ、脳、耳、心、精神のみならず魂さえも揺さぶり、恐怖に怯え、ここから逃げ出したいという誘惑に耐えることができなくなった。

 サファグンの前衛は、ついに崩れ、槍を捨てて、部屋の奥へと逃げ出した。

 部屋の奥は、ゼンドリックでは一般的な、傍らのレバーを操作することで、壁に転がりながら収納される円形扉が開いていて、10匹のサファグン達は皆、そこへ倒けつ転びつ逃げさった。

 残るは、前衛2匹と、僧侶のみである。大勢が決した事を悟ったのか、3匹は構えを崩す事なく、じりじりと後退し、ディックは前進するなと命じた。これ以上の戦闘は彼らにとっても危険だった。

 コボルドが追ってこないと知るや、彼らはさっと身を翻し、逃走した。

「リーヴゴット! 扉を閉じろ。装置をいじって、向こう側から侵入できないようにするんだ」

 ディックはローグであるリーヴゴットに命じた。彼ならば、装置に細工を施して、自分たちが休む時間を作りだすだろう。

 命じられたリーヴゴットは、円形扉の傍らにあるレバー装置を見下ろすと、歯車にデンスウッドの木片を噛ませ、それを取り外さないと装置が動かないようにした。次に酒樽の台座にあった装置をしげしげと眺め、サファグンがいた部屋を「たぶんこっちにも……」と独り言を呟きながら、何かを探し始めた。

「あった」

 埃と蜘蛛の巣がかぶっているが、同様の台座が見つかった。こちらには、何も載せられていない。

 リーヴゴットは満足そうにその装置を眺め、床に転がっていた酒樽を持ちあげると(幸い、中身は漏れていなかった)元の部屋の台座に載せた。すると、収納されていた壁が動き、元の位置に収まると、辺りには静寂が戻ってきた。

 これでやっと落ち着けると……と、誰もが考えた時、フーブラーが呻いて、弛緩していた空気は再び緊張感に満ちたものになった。

「フーブラーは無事か?」
「長、フーブラーですが……」

 ドクはディックをフーブラーのもとに連れて行き、彼の状況を説明した。

「なんとかならないか?」

 と、ドクに聞きかえしたが、しばらく考え込んだあと「人間達に頼むしかない」と彼は首を振った。

「彼らも今日は戦闘して消耗していると聞いた。夜明けまで何とかもたせるしかないな」

 夜が明けたら、サッドに頼んでみようと、ディックは請け負った。

 ディックは全員にポーチからありったけのポーションを出せと命じた。これをフーブラーに飲まし、ドクを休ませるためである。次に、ドク、リプトン、ウェブスターら術者達に寝るように命じた。残りの隊員は、交代で見張りとフーブラーの看護である。

 地下室からでは、月が見えないため、夜明けまであと何時間なのかわからなかった。フーブラーにとっては、地獄のように苦しみが夜明けまで続くことになる。

 マラーキーはフーブラーに自分が誤射したことを詫びた。フーブラーは笑ってそれを許したが、マラーキーは罪悪感に打ちのめされていた。

 ……それからの数時間、マラーキーはフーブラーの気を紛らわせようと、故郷の話や、自分の知ってるバカ話をありったけ語って聞かせた。フーブラーの顔色が悪くなるとポーションを飲ませ、体をできるだけ、冷やしてやったりした。

 フーブラーは休ませてくれとマラーキーに告げて眠った。顔色は穏やかで苦しげな様子はない。フーブラーの様子にマラーキーが安堵していると、仮眠から覚めたディックが「マラーキー、少し寝ろ。あとは俺が見る」と告げ、休息を促した。

 ディックの命令に、マラーキーも寝ようとしたのだが、正気を取り戻したサファグン達が、円形扉の向こう側から、こじ開けようとしたり、扉をガンガン叩く音がかすかに聞こえきて、どうにも寝付けない。

 リーヴゴットの対策は万全で、彼らは扉を開けることができないようだった。

 それでも、体は休息を欲していたらしく、扉が叩かれる音を聞きながら、いつしかマラーキーは眠っていた。

 
 †
 

 波高亭の酒場は、平賀才人懲罰会場と化していた。

 特に怒り心頭なのはセリマスで、才人の両頬は既に赤い紅葉が咲いている。彼女は事情を聞くや才人の胸倉をつかんで「これはルイズの分、これはお気に入りのローブを台無しにされた私の分」と往復ビンタを食らわしたのだった。

 泣きじゃくるルイズを連れフラワーとアイーダが宥めるために別室に連れて行き、イングリットが新しいローブを用意すべく奥へと引っ込んでいった。他の会議をしていた面々は外に出て、ルイズが吹き飛ばした小屋を検分している。リナールはソウジャーン号の船員が喧嘩していると聞き、慌てて船へと戻っていった。

 酒場にいるのは、シグモンドとセリマス、ジーツ、タルブロン達だった。

 セリマスは、形の良い眉をつりあげ、才人を睨んでいる。さっきまでは『手のかかる弟』と、いった親密具合だったが、今では、『女を泣かせる成金のバカ息子』という評価になりつつあった。

 そんなバカには一発説教をくれてやらねばなるまい――と、セリマスは息巻いた。

「サイト、あなたの国で人の話を神妙に聞くときはどういう姿勢でいるの?」
「……正座です」
「なら、そのセーザとやらをなさい」

 才人は床を見たが、そこには、火に焦げた痕や、泥や埃に塗れていた。のみならず、痰や唾が塗布され層を成しているようなところまであった。

「……ここに?」   
「セーザ」
「はい」

 できるだけ、綺麗な場所を選んで、才人が正座をすると、ジーツがくすくす笑い出した。

「サイト、お前なんで、ウォーフォージドみたいな座り方してんだよ?」
「サイト君、それは、我々がマスターから待機命令を下された時の座り方だぞ」
「そんな事言われても、オレの国じゃこれが最も礼儀正しい座り方なんだよ!」

 セリマスが才人に説教を始めようとした途端、外に出ていたミウリが入ってきた。

「シグモンド、サファグンだ! だけど、様子がおかしい。相手はお前を指名している」
「俺を?」

 シグモンドは、ジーツ達を見て「一応、来てくれるか?」と尋ね、ジーツとタルブロンは了承した。セリマスの説教独演会を聞いてもつまらないと判断したのだろう。

 彼らが出ていくと、入れ替わるように、酒場のカウンターの奥にある扉が開いた。

 そこから出てきた珍妙な生物に才人は驚いた。ハシビロコウの毛が抜け落ちて、代わりに白い鱗と爬虫類の手足が生えたような生物が来たからである。さらには、その生物が「A friend suffers from poison.There is the help of the priest」とシャーシャーと、甲高いしわがれ声で英語を喋りだしたから才人は二度驚いた。

 セリマスはコボルドが出てきたのは驚かなかったが、困惑していた。彼女は竜語がわからなかったからである。

「サイト、なんていったかわかる?」

 才人はかろうじて、friend、poison、helpの三単語を聞き取ることが出来ていた。

「なんか、友達、毒、助けてって言ってますけど……」
「案内して!」

 そのコボルドはセリマスの手を引いて、地下のワインカーヴまで案内した。

 そこには12匹のコボルド達が、1匹のコボルトを囲んでいた。囲んでいるコボルド達は皆一様に肩を落としている。

 才人達を案内したコボルドと、残りのコボルトが何かを言い合っているが、才人には、早口過ぎてまったくわからなかった。

 彼をかき分け、セリマスが横たわるコボルドを見た。体はまだ微かに温かいが、そのコボルドは明らかに死んでいた。

「……残念だけど、彼の魂はすでに死の領域ドルラーへ召されているわ」

 雪コボルドのフーブラーは、故郷から遠く離れたコルソス島で、味方の誤射により死んだ。








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