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コルソス島奇譚 閉ざされた村

 コルソス村の唯一の宿屋である波高亭は、もうすぐ昼食の時間を迎える。
 禿頭に、八の字の口髭を蓄えた宿屋の主、人間のシグモンド・バウアーソンは、仕込みをしながら、今朝の報告について考えていた。

 考えることが山ほどあった。

 彼の頭を今、最も悩ましていたのが、村を取り巻く状況だ。はっきり言って芳しくない。

 戦力が圧倒的に足りない。白竜の空襲を運良く生き残ったシヴィス氏族ハウス・シヴィスの男、メーラー・ダエモン・ド・シヴィスを通じて、援軍はすでに要請したのだが、先日の戦闘で彼は死亡してしまい、援軍先の返事を聞くことが永久にできなくなってしまった。

 「やあ、シグモンド。昼食はできているかな」

 かけられた声に振り向くと、ゆったりとした茶色いローブを纏った銀髪の優男がカウンターの向こうに立っていた。ソウジャーン号の船長、リナール・ド・チュラーニだ。名が示す様に、彼はチュラーニ氏族ハウス・チュラーニの若者で客と貨物の両方を運ぶことを商いにしているエルフである。島に入港し、補給中にこの事件に遭遇した為、幸運にも船に損傷はない。

「今作っている所だよ。船を降りずとも、お前さんならもっと良い飯を食えるだろ?」

 シグモンドはサーバーから冷えたエールをリナールに差し出した。

「ずっと船に篭っていると気が滅入るからね、あとはまあ情報収集かな」

 エールを受け取り、それを一気に煽ったリナールは酒場の奥を指さした。そこでは、生き残った商船主達がリランダー氏族ハウス・リランダーデニス氏族ハウス・デニスの青年二人を相手に激しく意見を戦わしている。いや意見というものではなかった。

「今まで通りスマグラー・レストを通過すればこんな事にはならなかった」
「ハウス・デニスとハウス・リランダーがいながらこの様だ」

 漏れ聞こえてくる声は、とにかくこの事態をどうにかして損害賠償をしろというものである。

 ハウス・リランダーは《嵐》の竜紋を持ち、船舶に関連した商いを行っているハーフ・エルフの氏族で、この手の商売の総元締めといっても良い。ハウス・デニスは《歩哨》の竜紋を持ち、傭兵を生業としている人間の氏族だ。この二人は積荷を守ることができなかった事を、無闇に責め立てられているのである。できもしない事を責め立てられて、もちろん黙っているわけがない。

「コルソス航路を通るか通らないかは、そっちの自由だろ!」
「ハウス・デニスは君たちの要請を受けて、血潮団の連中が根城にしているミストラル島要塞の攻略にかかりっきりだ。無茶を言うな!」

 彼らの怒声にリナールは微笑んだ。

「ようリナール、ご機嫌じゃないか?」
「これでフィアラン氏族ハウス・フィアランの連中が責め立てられていたらもっとご機嫌だったんだがね」

 リナールに話しかけたテノールの持ち主は、ハーフ・オークのカトゴス・ド・タラシュクだった。赤茶けた肌に、両サイドに黒く豊かなモミアゲを生やし、唇の両端から牙をのぞかせる凶相でありながら、目元の柔和さがそれを和らげている。

 タラシュク氏族ハウス・タラシュク竜水晶ドラゴン・シャードの採掘と傭兵を生業とする氏族だ。生業を同じとするハウス・デニスとは当然の事ながら仲が悪い。

 彼は、ストームリーチにあるタラシュク氏族の居留地へ荷を頼んだ、リナールにとって大事な顧客のひとりである。

「見ろよ、デニスの奴らの居心地悪そうなあの面!」

 カトゴスはくすくすと笑った。

「これで奴らの評判が落ちてくれれば、我らタラシュク氏族はストーム・リーチで更なる足がかりを得ることができるだろう」

 カトゴスの言葉に、さて、それはどうだろうかとリナールが思った所に、村人が血相を変えて、浪高亭に駆け込んで来た。

 「大変だ、コボルドが空から降ってきた!」

 その場にいた全員が得物を持って飛び出した。


 シグモンドは、人型の怪物にダメージを与える魔法の剣、まさしく、伝家の宝刀である長剣を携え、港へ走った。そこには、白鱗のコボルド達が、盾をかまえて円陣を組んでいた。

 彼らの中心には気絶しているのか人間の女の子が横たわっていた。

 狡猾にも人質のつもりらしい。

 警戒組に入っていた村人か、村に残っていた冒険者たちが先に攻撃したのだろう。コボルド達の構えた盾には、クロスボウのボルトが幾本も刺さっている。

 コボルドにしてはやや大柄な一匹が、竜語で何かを言ってきたが、こちら側で竜語を使える者はおらずなんて言ったのかわからない。やがて、彼らにも竜語が使えるものがいないとわかったのか、彼らの内の一匹がラザー公国訛りの共通語で話して、ようやく事態が判明したのだった。


 ……船を沈めた竜の名前はオージルシークス。それが俺達の敵の名だ。


 †


「ドク、お嬢さんの様子はどうだ?」
「呼吸はしっかりしてますよ。暖かくなれば目を覚ますでしょう」

 ルイズの、規則正しく上下する胸を見て、ドクはディックに答えた。

「まさか、お嬢さんを受け入れてもらえないとはなあ……」

 ディックは計算外の事態に愚痴をこぼし始めた。本来の予定では、この人間のお嬢さんを同族のコミュニティに返して、オージルシークス奥様の所へ直接向かうはずだったのである。

 ところが、自分達の事情を懇切丁寧に説明したのに、結果はご覧の有様で、村の南門からお嬢さん共々追い出されてしまった。竜は嘆ケ峰ミザリーピークにいると告げられて。

 仕方がないから、嘆ケ峰を目指すことにした。このまままっすぐ行けば、その麓にたどり着くと言われれば是非もない。

 門の外、左手すぐには切り立った崖があり、視線を海へ向けると、直径数十メートルの小島が見える。そこには生贄の木と呼ばれるようになってしまった巨大樹が生えていて、その根は海水ではなく、地下の古代遺跡に貯蓄された、嘆ケ峰から流れ込んだ雨水を吸収しているという。だが、半魚人達の勢力下にある今は、その真実を確かめる者は誰もいなかったし、そこで邪悪な儀式が行われ、犠牲者が貪り食われたり、ゾンビになったりしているわけだが、その事情を知る前に追い払われたのだった。

 4万年前の巨人族と夢の領域ダル・クォールの攻防によってできた溺れ谷の隘路、緩やかな上り坂を80メートル程を南進し(人間のお嬢さんを6匹がかりで担いだ!)洗脳されたと思しき人間たちのバリケードまでやってきた。

 居丈高に海神へ帰依せよという脳足りんの片足を「アホ抜かせ」と、鎧袖一触で切り飛ばし、襲いかかる信者やゾンビ、半魚人を叩き伏せ、カニス氏族ハウス・カニスが数百年前に構築した水道を右手に見ながらひたすら前進し、指なしサッドと名乗る、顎髭を三つ編みにした4本指のドワーフ商人兼冒険者のキャンプにたどり着いた。

 彼は商売柄、ある程度の竜語を使えたので、意思疎通は比較的スムーズに行われ、情報交換をすることになった。コボルド達はこうして、嘆ケ峰の麓にあるキャンプに迎え入れられたのである。

「村の人間たちが、敵に包囲され、疑心暗鬼に陥っているのは間違いないでしょう。我々はある意味で、敵方の関係者ですからね」

 ドクとの会話に割り込んできたのはジョー・リーヴゴットだった。共通語が喋れるので、主オージロスの使いとして彼は世界中を放浪した経験を持つ、稀有なコボルドである。

「リーヴゴット、お前さんの共通語は本当に通じているんだろうな?」

 ディックが疑わしげに聞くと、リーヴゴットは肩をすくめた。

「多少、ラザー訛りですが、少なくとも世界中を旅する船乗り達に通じているはずですよ。現にサッドには通じていたじゃないですか」
「だといいんだが……恒温生物の考えることはやはりわからん。お前わかるか?」
「多少は……ですね」
「他の連中はどうした? 休息を命じたはずだが?」

 ため息をつきながら、ディックはリーヴゴットに聞いた。ろくでもない答えが返ってくるのは想像がついていた。

「マラーキーが弟への土産にリピーティング・クロスボウをほしがっています。さっきぶち殺した人間たちが持ってないか漁って」

 リーヴゴットの声を遮って、ア゛ーとコボルドの悲鳴が聞こえてきた。

「ウェブスター、ブル、リーヴゴットは待機! ドクは付いてこい!」

 ディックは手持ちの長剣(人型生物から見れば小剣にしか見えなかったが、コボルド族の意地と名誉にかけてこれは長剣であると彼は言い張った)を携え、悲鳴の現場に行くと、リプトンの尻にボルトが刺さっていた。

「敵はどこだ!」
「敵襲じゃありません事故です!」

 デイックは現場のマラーキー達から事情を、ドクはリプトンの治療を行った。

 マラーキーの拾ったクロスボウが、リピーティング・クロスボウ(以下リピクロと記述する)ではなかった事に腹を立て、地面に叩きつけた所、衝撃で矢が発射され、リプトンにあたったのだという。

 リプトンはうつ伏せになってドクの治療を受けつつ、己の窮状をディックに訴えた。

「……不機嫌な奥様に齧られた傷が、やっと治ったと思ったらこれだ!」
「……幾つ目の傷だ?」
「もう、これで4つ目の尻の穴ですよ! やってられません!」
「うちの連中の尻の穴が増えるのは年中行事だろ。我慢しろ」

   
 †


 ルイズは聞こえてきた子供の悲鳴に意識を取り戻した。そして、聞こえてきたアルビオン語にルイズは驚いた。その声はやたらと甲高く、それでいて、喉か肺を患っているのか、シュウシュウとしわがれた声をしている。それでいて発音は完璧なKings Albionアルビオン語だった。

「ここは……アルビオンなの?」

 ルイズは、上体を起こして、そう問いかけた。

「おや、お嬢さん、竜語が使えるのかね? 人間にしてはなかなか関心なお嬢さんだ」

 ラグドリアン湖でわりとよく見かける、ハシビロコウのような顔と嘴。羽毛の代わりには、白磁のタイルの様に美しい鱗が、ぶらぶらと揺れる尻尾までびっしりと敷き詰められている。両手両足に生えた肉食獣のような黒い鉤爪。

 そう、声の主は亜人だった。

 ルイズは、彼らコボルドに驚き、杖を抜こうとしたが、自分に毛布(流石に人間サイズではなく長さは足りなかった。道理で腰から下がスースーするとは思った)をかけられている事に気づき、杖から手を離して、礼を述べた。

「私の名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。事情がよくわからないけれど私を助けてくれたのね。ありがとう」
「私の名はウェブスター。礼なら、我らの主オージロスに述べ給え。最もその名誉に預かる機会があればの話だが。たまたま、我々の所に落ちてきた君は運が良かった。そして君の最初の問だがここはアルビオンという場所ではない」

 ルイズは、困惑の表情を浮かべながら、トカゲとハシビロコウのハーフの様なウェブスターに再度問うた。

「でも、貴方はアルビオン語でしゃべっているわ」
「これは竜語だよ、お嬢さん。寡聞にして、アルビオン王国という名は聞いたことないな。おい、誰かアルビオン王国って知ってるか?」

 ウェブスターが周りのコボルド達に聞くと、全員が一様に首を振り否定した。

「……ではハルケギニア、トリステイン、ガリア、ゲルマニアという地名も?」

 ルイズは目を伏せ、縋るように聞いたが結果は同じであった。

「そう……私は、召喚の門を超えて、とんでもなく遠いところへ来てしまったのね……」

 ルイズの漏らしたつぶやきに、ウェブスターは目を輝かせた。

「召喚の門を越えた? その事について詳しく教えくれないか?」


 ルイズは語った。

 自分の生まれ、故国トリステインの事を。

 自分が公爵家の娘として生まれ、貴族の根幹であるメイジとしては欠陥を持つ娘である事を。

 進級試験でもある使い魔の召喚の儀式において、使い魔を呼び出す事かなわず、門を超えて使い魔を迎えに来た事を、そこにいたのは……

「そうだ、すっかり忘れていたけど、黒髪で身なりの良い男の子を見なかった?」

 顔はブサイクだけどと、ルイズはコボルド達に伝えた。

「見たぞ。閣下が呪文を唱えて、浜辺へ降下させた。よっぽどの事がない限り生きてるはずだ」

 ルイズに答えたのはディックだった。ルイズが自分の事情を語っている間に戻ってきていた。

「そう、良かった。彼を使い魔にはできないけれど、彼をここに連れてきてしまった責任が私にはあるから……」

 火にあたりながら、話を聞いていたサッドは拙いながらも竜語で話しかけた。

「オレ、疑問ある。異なる世界の物、ある?」

話しかけたドワーフを見て、ルイズはまたも目を丸くさせた。こんな背の低い人間は見たことない。

 その様子に気づいたウェブスターが、ドワーフ族の事を簡単に説明をして、サッドの問いに対する答えを促した。

「品物? そうね……お金、かしら」

 ルイズは自分のサイフから1エキュー金貨を取り出した。

「この金貨は、ここで使えるかしら?」

 サッドはルイズから金貨を受け取り、矯めつ眇めつ眺めて言った。

「ガリファー金貨、違う、でもこれ金、 交渉、できる、たぶん」

 そうよかったと安堵するルイズにサッドは、ルイズに金貨を返し、あえて共通語で語りかけた。

『お嬢さん、共通語は喋れないのかい?』

 ドワーフが喋った共通語を理解できず、ルイズが怪訝な顔をすると、サッドは首を振って再び竜語で語りかけた。

「共通語しゃべる、しないと、たいへん、はやく、覚える」
「そうね。ミスター・サッド、私に共通語を教えてくださる?」

 サッドはニヤっと笑って、親指のない右手でグッドサインを出した。

「まかせる!」

 二人の様子を見て、ディックは安心した。

 商売人だというサッドなら、ルイズの受け入れを拒否した村の連中を、上手く煙に巻いて、彼女の事を認めさせるだろう。

 新たな次元が見つかったとはしゃぐウェブスターと違って、ディックは魔法の専門的な話はよく理解できなかったが、ルイズがとんでもなく遠いところから来た、という事だけは理解できた。彼女にとって心細い話だろうが、我々は彼女にばかりかかずらってはいられない。

「ルイズ、ここでお別れだ」

 ディックはそう切り出した。

「……もう行ってしまうの?」
「ああ、奥様を正気に戻して、アルゴネッセンへ速やかに帰らねばならん」
「そう……もう一度お礼を言うわ。本当にありがとう」

 ルイズは、膝まづいて深く頭を下げた。

「ああ、竜神の導きがあれば、また会うこともあるだろう」
「私だと始祖ブリミルのお導きがあれば……ね?」

 二人は何時しか、どちらともなく笑いあった。

 互いに信ずる神は違うのに、共に再会を願うという、奇妙な連帯感に。異郷にて言葉が通じるという安心感は、種族の差を超えるのかもしれない。


「では元気でな、ルイズ」

 ディックは「easy company move now!」と他のコボルド達に号令をかけた。その声に暇を持て余していたコボルド達は、雪玉を投げ合うのやめて、集合し、己の装具を確認すると、嘆ケ峰へ歩み去っていった。


 †


 サファグンは槍を突き出したまま、土下座しながら歌う人間を見つめた。彼は共通語がある程度話せた為に、この人間の歌う言葉が理解できた。

 海の神様という言葉は間違いなく、我らの神、ディヴァウラーのことであろう。だがその後に続く言葉がわからない。よくわからんが、おそらく、この人間は我らが神に帰依したいというのだろう。そうでなければ、目の前で武器を捨てて土下座なんてするわけがない。

 そのサファグンはそう考え、突き出した槍を引っ込め、穂先を上にし、石突きで、海水にぬかるむ地面をトンと付いた。

 才人はまだ、サビの部分を繰り返し歌っている。ただ繰り返しているのではない。実はサビの部分しか覚えてなかっただけなのであるが、ただひたすらに海の神様、ララララーと歌っていたのが逆に功を奏した。

「地上人よ、我らが神に帰依するか?」

 サファグンは海神への帰依を確認した。

 才人は歌うのををやめ、その半魚人の顔を見た。

 学校の成績が、ちょっとばかり悪い才人は『帰依』という言葉がわからず、困惑していた。普通、高校の国語では出ることのない、馴染みのない言葉だったので無理もない。

 普段、空気の読めない才人であるが、命の危険がかかっているこの時ばかりは、どうにか場の雰囲気を読み取った。

「はい、キィエーします」

 その言葉を聞いたサファグンは目を閉じ、口の端を歪め、満足そうに頷いた。

 その一瞬、



 ……サファグンは夢想する。いつの日か、地上に住まう、すべての者を傅かせるその日のことを。そしていつしか、地上は遍く海中に沈み、すべて生き物にエラが生え、ディヴァウラーの腕に抱かれるのだ。そうして、この世は本当の楽園になる。

 大きく育ったテーブルサンゴに腰をおろし、美しく茂った枝サンゴを、贈り物にして愛を語ろう。伴侶になったくれたその者に、愛しき吾が子を、たくさんの卵を産んでもらうのだ……



 才人に、ウィザードとしての秘術的視覚アーケイン・サイトが備わっているなら、サファグンの頭部に纏わり付く赤い渦が見えただろう。

 目を閉じて満足そうに、うんうんと何度も頷きはじめたサファグンを才人は、不思議そうに見つめた。

「サイト、今だ、レバーを引け!」

 小さいが、鋭いその声に鉄格子の方を見ると、いつのまにやら、ジーツ達がセリマスと合流していた。

「サイト、急いで!」

 セリマスのその声に、才人は起き上がり、土下座した自分の横、地面に設置してあるレバーを見た。レバーは右に倒れている。これを左にスイッチすれば、あの鉄格子があがるのたろう。どういう仕組なのかわからないが、レバーの根元には複雑に入り組んだ歯車がいくつも噛み合ってるのが見えた。

 才人は力いっぱいをそれを左に引いた。ガラガラと音を立てる歯車と同時に、鉄格子が上にあがってゆく。

 「サイト、棍棒を拾って少し離れろ!」

 言うが早いか、ジーツは胸元の弾帯から、投げナイフを取り出し、サファグンに向けて投擲した。投げられたナイフはジーツの狙い通り、サファグンの大きな左の魚眼に突き刺ささった。

 タルブロンの唱えた呪文、催眠ヒュプノティズムの影響を受け、己の夢を投影していたサファグンの悲鳴が上がる。サファグンはあまりの激痛にたまらず、混乱し、目を押さえながら蹲った。

 それは、戦闘において、あまりにも致命的な隙だった。

 猫のように靭やかに、鋭く、油断無く接近したセリマスは、銀炎の御名を称えつつ、重戦棍を振り下ろし、サファグンの後頭部を容赦なく叩き潰した。







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